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BASE 株式会社の PAY.JP チームにジョインした

所謂転職エントリです。 苦手な方はブラウザバックかタブを閉じていただければと思います。

Twitter でそれとなく近況をつぶやいていましたが 先月で2年2ヶ月ほど働いていた GMOペパボ(以下ペパボ) を退職し、今月から BASE 株式会社PAY.JP チームでインフラエンジニアとして働き始めました。

BASE&PAY

BASE / PAY.JP について

入るまで

後述の経緯で去年の9月頃から Python を主軸にできる環境の仕事は無いかと転職活動をはじめ、 主に PyCon JP 2016 のスポンサーをされている企業で主に Wantedly 経由であちこち話を聞いて回っていたところ、 Python 中心な環境で決済プラットフォームを提供している PAY.JP が特に目に止まった。1

PAY.JP についてはたまたま以下の第0回の PAY Conferrence にも行っていて、 BASE として、PAY.JP として世の中のどういった課題に貢献していきたいかということはおおよそはわかっていていたつもり。

特にこのときの @kyoro353 さんの 「『現金が消えた街』 〜決済・送金・与信の全て電子化され、"現金"が消えた世界の物語〜」の話にはかなり引き込まれた事を覚えている。 決済という体験のコストを下げ、改善していき、人々の暮らしや生き方をより良いものにしていこうという確かなビジョンを感じることができた。

また github の organization もやっている感があって、 オープンな形で自分の技術者としての価値も幅広く高めていけそうだという感触も掴めた。

他にも BASE, PAY.JP チームの雰囲気に関しては @laiso さんのジョイン時のエントリが非常に参考になり、 こんな場所なら自分もやっていけそうだなという感触も掴めた。

何度かのお話をする機会を経てオファーをいただきしばらく悩んだけど、総じて

  • 自分の技術の主軸としたい Python のプロダクトに技術者として関われる。
  • コミュニティー等で活動している人もいてオープンな活動もやっていけそう。
  • プロダクトの目指すべきところが世の中を、人々の生活をより良いものにしていこうという確かな姿勢があって共感できた。

あたりでマッチしていると思い、ジョインすることを決めた。

入ってみて

ジョインしてまだ1週間経ってないのだけれど書いてみる。

雰囲気

最初オフィスを見学させていただいた際にあった「PAY 部屋」と呼ばれる PAY.JP メンバーが 隔離されて 独立していた部屋の壁は去年の末にぶち破られたようで PAY.JP チームも BASE チームもワンフロアに集まっている。 組織的には PAY.JP は別れては居るのだけど、月イチの締め回では全体でいっしょに集まってワイワイしていたし全社的なコラボとかはありそうな感じ。

PAY チームに関しては Python コミュニティーで活動されてる方も多く、実際 python mini hack-a-thon で知り合った人と繋がってる人も多くいて業界の狭さを感じつつ、「Python の会社だな」という感覚は確実にあって事前に話していた通りだなと感じている。

他にもいろいろありそうなのだけど、大体 @laiso さんのブログの通りだなというのが今の所の所感。

お仕事

私はインフラエンジニアという枠でのジョインなので、もちろんそのあたりの領域を中心に見ていくことにはなるけど 状況次第でアプリケーション領域に踏み込んで行くのというのも十分にありそう。

あまり詳細は書けないしちゃんと把握していくのはこれからだけど、 扱うモノが決済ということもあり、まだ2年経ってないサービスだけれども大分ガチガチに固めている感じはある。 これまでの自分の経験では決済の仕組みを作る側になる機会がなかったためか聞き慣れない用語も結構あって、しっかりやってかねば!という思いがより強まっている。

あと PC は基本的に好きなものを使わせてもらえて、全部載せの DELL XPS13 に Archlinux を入れて使うのも OK で最高な感じがある。 (もちろんセキュリティ関連のことは気にする必要があるけれど、その辺はセキュリティエンジニアのクリスに早速色々面倒を見てもらった)

ペパボの思い出

それまで Twitter なんかでしか見ることのない インターネット大好きでめっちゃアウトプットしまくっている人たちがいっぱい居る会社で 色々な視点で改めてインターネットにどっぷり浸かることができた気がする。

在籍期間は2年2ヶ月と一般的なキャリアと比較すると短期間の部類になるのだろうけど

EC(インフラ) -> ヘテムル(インフラ) -> グーペ(インフラ) -> tetote (何でもあり) -> EC(サーバサイド開発)

みたいな感じで関わり、サイクルOJT2 なんて目じゃないくらい様々なところに首を突っ込まさせてもらった。

入社

ここ でも大枠は書いて入るのだけど、当時はビビリでちょっと控えてたところもあったので今更ながらもう少し追加で書いてみる。

入社前は完全に Web オペレーション中心のインフラエンジニア業をやっていたのだけど、 ちょうど Infrastructure as Code という言葉が出始めてきていて自分の関心も高まっていた。

そんな中で勉強会で @ume3_ さんに遭遇して色々お話したり、既に退職はされていたけど Serverspec の開発者である mizzy さん, 日々の業務で自分がやりたいことをググるとことごとく引っかかるブログを書かれていた @glidenote さん等のペパボの中の人のアウトプットをみていて、インフラエンジニアでも github バリバリ使ってたり手を動かしてアウトプットしまくってる人たちがいて、こんな会社で仕事を通じてエンジニアとしてのキャリアパスを描けたらなと思って応募した。

特に @glidenote さんへの憧れの強さが志望動機の大きなところではあったのだけど、 なんと前前職の有給消化が始まるタイミングで転職エントリを目撃。入れ違いという形になってしまった。3

1年目

元々はECのインフラエンジニアとしてジョインして、日々の業務のなかでMSP時代ではなかなか味わうことのなかった サービスを運用する視点というものをより強く感じられるようになった。

最初のうちで大きなことといえば、脆弱性対応のときに fabric 使って業務に勢いをつけたり まとめてドカンと期限がやってきたSSL証明書をひたすら更新したり、CDN 運用関連で叫びながらベンダーのドキュメント読みあさったり問い合わせしまくったり、 コンテンツ配信サーバを3S互換ストレージ Bayt への移設のEC側インフラ担当をやったりしていた。4

しばらくすると、当時の東京支社はオンプレ環境からプライベートクラウドへの移設まっさかりで、 そのとき比較的フットワークが軽い状況であった私はヘテムルやグーペの助っ人として幾つかのチームに傭兵のごとくジョインさせてもらい 多分1年やそこらでは到底体験できないようなとてつもなく濃い経験をさせてもらった。 日報で適当にぼやいてたグーペの「ビックバンメンテ」という言葉が拾われて後のテックカンファでも語られるようになったのは個人的に非常に感慨深い。

ペパボのインフラエンジニアの方は皆さんサービス思考が非常に高く、 またそれを支える確かな得意分野をそれぞれ持たれていて、一緒に仕事をさせていただいて本当に学びが多かった。 単純な技術そのものもそうだけれども、インフラエンジニアとして事業に関わるということの感覚を磨くことができて本当に良かった。

2年目

そんな感じで最初の1年位は過ごしていたのだけど、日々の業務でペパボ社内ではレアな Python を使って色々やっているところを拾われたのか、 2年目はCTO のあんちぽさん(@kentaro)のもと 5 、 技術支援という形で当時はグループ会社であったペパボオーシーさんのプロダクト tetote にけんちゃんくんさん(@kenchan) とともにフルコミットする形となった。tetote は Python 製のプロダクトである。

そんなことから2016年はペパボでは非常にレアな Pythonista 時々インフラところによりフロントエンドみたいな感じで日々の業務を行うことになった。 Web 界隈に来て念願だった Web アプリケーション開発に自分の好きな Python で直接コミットできる機会が得られ、結構ヘビーながらも楽しく仕事をしていた。 PyCon JP 2015 のときに当てた PyCharm の Pro 版ライセンスがこれでもかというくらい役に立ってむしろあれが完全なフラグだったんじゃないかなとも思ってる。

tetote で一緒だった けんちゃんくんさん とは結果としてペパボ在籍時、一番長い間一緒に仕事をさせていただいた。 くんさん には技術者としてプロダクトに対して向き合う姿勢/手法をこれでもかと言わんばかり見せつけられて、 それまで私は個人的な経験上「アジャイル」「スクラム」といった言葉から連想される、所謂スクラムマスター的な役割に対する一種の不信感があったのだけど、非常にいい意味でぶっ壊された。 言葉と技術という手法を使って問題に切り込んで行く「技術者としての振る舞い」を横で学ばせていただき、本当に一緒に仕事することができてよかったと思っている。

またペパボのデザイナであちこちで詩のアウトプットを行っている @shikakun ともデザイン面で色々とお世話になった。 詩と言いつつもデザインを形成する基本的な理論を学ばせてもらって、勝手にデザイナさん向け勉強会に顔を出していただけだけどコラボすることができて本当によかった。

その後は tetote から離れ、 再び EC に戻り、インフラではなくサーバサイド開発の手伝いをさせていただいていた。

自分の技術的視点の変化

ペパボにジョインする際は主軸とすると技術はWeb系のインフラスキルで、 Python はその際の手段として好んで使っているだけだった。 けれども様々な業務の傍らで手を動かしたりコミュニティの集まりに顔を出すようになっていった結果 自分の一番主軸にしたい技術は Python だなと考えるようになった。

2年目からは実際業務でメインで扱うものも Python になり、 Python mini hack-a-thon にはこれまで以上にべったり関わるようになったし、PyCon JP でもトークをする機会もいただけた。

これまで自分が少しずつでも地道にやってきたことがようやくつながり始め 自分が関わるサービスやコミュニティーにどうやって寄与していこうかという事を、業務に無理やりねじ込む頃よりもより突っ込んで考えるようにもなっていった。

退職

様々な事情で tetote にコミットし続けることができなくなってしまい、 結果 Python を主軸として仕事をやり続けるのが困難な状況になってしまった。 これに関しては様々なサービスを運営する会社としては避けられない流れから発生しているもので、 私自身もそのような状況になった事自体は納得している。

ただ前述したような背景もあり、もはや自分の今一番主軸にしたい技術は Python だなと考えるようになっていた。 やっと形になり始めた自分の技術的なバックグラウンドをより高めていくには Python のコードを書きつづけるなり、Python 製プロダクトの実運用におけるリアルなノウハウを磨いていく必要があると強く感じていた。

そのような思いがあり、「自分が納得できる選択はどこにあるか?」を求めて PyCon JP のスポンサーを中心に「まずは話を聞きに行く」という行動を起こし始めた。 それがちょうど9月になるタイミング。

これがそのままきっかけとなり、転職することを決めた。

正直なところ、ペパボは今各サービスでCTL6が誕生してよりバーンと行く体制が整って来ているし、 ペパポ研究所7が中心に進めている「なめらかなシステム」は本当に面白そうで、 そういった状況に中の人間として関われなくなってしまうのは非常に残念なのだけど、それを差し置いてでもやっぱり自分の限りある人生のなかで挑戦していきたいことを優先することにした。

結果として、様々なめぐり合わせと方向性の違いの結果によって 今回の私の転職は発生したのかなと思っている。

最後に

こんな感じで今年は新たな環境で新たな挑戦がはじまりました。 不安も無いわけではないけれど、まずは決済を通じて価値の交換をシンプルな世界をめざすべくやってくぞという気持ちです。

例のリストとやらも置かせてもらいます。よろしくお願いします。