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PyCon JP 2024 に少しだけ参加してきた #pyconjp2024

少し時間が経ったが、9月に行われた PyCon JP 2024 のカンファレンスに参加してきた。去年に引き続き家庭都合でDay1のみの参加となったけれど、それでも行ってよかったと思える有意義なイベントだった

エレベーターに乗ってるときに見えた看板

聞いて回ったトーク

今回も残念ながらキーノートには間に合わず 1 ではあったが、以下のものを聞いて回った。元々はそこまでトークを集中して聞くというよりは、スポンサーセッションとか休憩スペースとかで適度にまったりしながら過ごそうとおも思っていたのだけど、「これ聞きたいなー」と思えるものが結構目に入ってきたので気がついたらガッツリトークを聞いて回っていた

「5年分のツケを一気に払った話」は社内のみで利用されているシステムでは陥りがちな状況に対して、どのように対処していったかの知見が丁寧にまとめられていてとても良かった。

「あなたのアプリケーションをレガシーコードにしないための実践Pytest入門」はテスト周りみんなどうやっているんだろうなという興味で聞いたところではあったけど、かなり様々なpytestの使い方がまとまっていて勉強になった。正直なところテストに関するツールは結構雰囲気で使っているところではあったので、こいういったまとまった知見が得られるのはとてもありがたい。

「実践structlog」は正直なところWebアプリケーションのログよりも、最近Pythonで自分が書くことが多かったCLIツールにおいても依存するWeb APIから返ってくるJSONをうまくさばきつつもログの扱いをどうするのがうまい答えが見つかってなかったので、なにかヒントになればいいかなと言うつもりで聞いた。結果的にはPythonに限らない、最近だとよくあるクラウドありきのWebアプリケーションにおけるロギングの考え方がとても良くまとまっていてよかったという感じ。またstructlog自体は便利そうでWebアプリケーションに限らない活用もできそうだという知見が得られたのがよかった。

takapyのトークの応援

「低コストで実現する社内文書RAG機能を搭載したAIチャットボット開発」は同僚の @takapy0210 の応援も兼ねて聞きに行った。「チャットボットのインフラ用意したなー」とか内部の事情と合わせながらも「え、そうだったの?」という部分もありつつ聞いていたが、質疑がかなり盛り上がってめちゃめちゃ関心の高いトピックなんだなということを再認識した。こういった車内の取り組みがどう評価されのかを直接体感できるのは「応援」としてその場にいる良さだなと感じた

「PythonのHTTPクライアントツール徹底比較」はタイトル通りの内容だったけれども、最近Pythonでツールを作る際は原点回帰して標準の urllib しか使ってない状況だったので「今だとこんな感じになってるのか」「こんな需要があるわけね」など最近の状況のキャッチアップとしてよかった

「MicroPythonとRaspberry Pi Pico Wで始めるマイクロコントローラー上でのワイヤレス通信」はスピーカーの草介さんと知り合いだったこともあるんだけど、せっかくの機会なのであまり馴染みのない領域をの話を聞いてみようと思えたところが大きい。実際 microPython であれこれやる事情が自分が想像していたもの以上にかなり限定的な機能でやる必要があるんだなと言うのを実感できる内容が多くて、自分のようにちょっと興味あるくらいの人間が聞いても楽しめる内容だった。

その他過ごし方とか色々

ブレークルームの様子

お昼を過ぎて、Coffee Break 直前のトークセッションを見送ってスポンサーセッションとか書籍のエリアとかをふらふらして回った。

Break Room で眺めた stapy のポスターセッション

20階の Break Room でポスターセッションを眺めた。テックカンファレンスはトークやスポンサーセッションに目が行きがちだけどポスターセッションも Start Python Club, や Raspberry pi もくもく会, PyCon mini Shizuoka など色々なコミュニティの状況をゆるく知ることができるので、これも大きな魅力だと思う。また、その場で スラスラわかるPython 共著者の esuji さんと久々に対面して近況報告しあったりもした。元気そうでなにより。

使用しているPythonのバージョンアンケートに答えた直後の様子

4階に移動してスポンサーセッションをふらついた。Pythonの使用状況のアンケート「いろんな時期に作成したAmazon Lambda があっていろんなバージョンがいるんだよな...」と思いながら回答をしたが、こういうのはやっぱり面白い。回答者の職種、この場だとインフラエンジニアは「その他(Other)」に丸め込まれてしまうんだなーというのはあった。

はやおにサインしてもらっている様子

書籍のコーナーに向かったところこれまた スラスラわかるPython第1版 のときの担当者だった緑川さんにも5,6年ぶりくらいに遭遇。周辺にいた翔泳社の方も交えて色々お話ができてよかった。また、書籍コーナーでは ハイパーモダンPython を購入して、その場で共訳者のひとりのはやおにサインもしてもらった。何気にこういう場では20%オフで買えるので、予算と持ち物の容量が許すなら買っておくのがお得だと思う。

今回も活躍したポータブル電源

他のトピックとしては今回も小さめのポータブル電源を持ってきたが、大活躍だった。重いのはあるんだけど、電源の場所を気にせず当日過ごせるのはやはり安心感がある。ただ流石にカンファレンスに行く機会が増えるならもう少しコンパクトなやつを検討したほうがいいかもなとは思う。

自分のネームカード

そういえば、今回のイベントではconnpassのQRコードを使った入場手続きや、NFC対応のカードが活用されているのはよかった。 入場手続きはかなりスムーズだったし、スポンサーセッションのスタンプラリーもかなりお手軽にできた。配られたネームカードに入っていたものに関してはconnpassのプロフィールに飛べるようにしているのも面白く、パーティーの際は活用できた場面もあった。

LT, パーティー、有志の飲み会など

LTは去年サテライトで見た際に臨場感が足りないなと思ったので、直接会場まで行って聞いてきたが大正解だった。5分という限られた時間のなかでも様々なタイプのトークが飛び出し、アウトプット、ライブコーディング、技術の無駄遣いなどとても楽しめるものが多かったように思う。ただ、英語の内容に関しては本当に頭に入ってこなくなってしまっていて、ここ数年の英語力(特にリスニング)の低下を実感してしまった...

今年はパーティーがDay1だったので参加ができた。個人的に大規模カンファレンスの純粋なパーティー参加自体がおそらく SRE NEXT 2020 ぶりなこともあってか、とても懐かしい気持ちと嬉しい気持ちでいっぱいだったところがある。

実際年単位でしばらく会えてなかったかつての同僚、先輩、後輩、久々のコミュニティーの皆さんとも色々お話できたし、はじめましての人とも色々お話ができててとてもいい時間だった(それでも結構会えなかった人もいるんだけど...)。今回は本当に一瞬で時間が過ぎ去ってしまうくらい、通りすがりに会う人とめちゃめちゃ色々お話した。用意されていたクラフトビールもめちゃめちゃ美味しかった。話内容も近況からキャリア、コミュニティ、技術的な話など多岐にわたりかなり刺激になったところもあった。

パーティーの余韻を引きずってると帰り際 wolfin_ikeom さんや soogie さん、 tsjshg さんたちの集団に合流して渋谷まで移動。結構終電ギリギリまで色々飲みながら色々お話できた。地味に tsjshg さんとは飲みの席ではそこまでご一緒させてもらってなかったので色々と新鮮で楽しかった。

来年に向けて

PyCon JP 2024、今年も去年に引き続きカンファレンスのDay1のみの参加になったけど、本当に楽しかった。 Pythonは最近は仕事でめちゃめちゃヘビーに使う感じではなくなってしまっていたけど、それ故に聞いて回れたトークからの新たな発見や思い出せた情熱みたいなものが結構あった。

今年は正直なところ心配になるような出来事もあり、コミュニティやカンファレンスに対して求められるもの・期待されるものが多様になってきていて単純に継続するということですら、ただの一参加者から見てもとても難しくなっているんだろうなとは感じている。とはいえ、その流れで「もう継続は無理です」となって色々なコミュニティやカンファレンスがなくなってしまうことも悲しい。必要な改善を促す建設的なフィードバックは当然必要だとは思う一方、それと同じくらい「こんなことが良かったよ」というフィードバックも大切だと思う。

来年も PyCon JP は開催されるようで、場所は広島。今後も今回のような有意義な場提供し続けるために動いている人たちがいるのはとてもありがたいことだと思う。来年のスケジュールやら生活環境がどうなっているか読めないところはあって行けるかどうかは本当にわからないのだけど、よいイベントになればいいなと思う。

運営スタッフの皆様お疲れ様でした&ありがとうございました!!


  1. 特に今年のキーノート、招待講演は評判がよさそうだったので直接聞けなかったのは残念。