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パスワード管理ツールを Keepass から Enpass へ移行した

これまでパスワード管理ツールは Keepass (version 2系) を使っていたのだけど、 最近たまたま Enpass って言う別のクロスプラットフォームのものがあることを知り、試してみていい感じだったの移行した。

screenshot01

Best password manager for iOS, Android, Windows, Linux, Mac | Enpass

Enpass はマルチプラットフォーム対応なパスワード管理ツールで、Windows や macOS はもちろん Linux 版もあるし Android、iOS にも対応している。(他にも WindowsPhone や BlackBerry, Chrome OS にも対応してる)

経緯

この手のツールだと今ではおそらく 1password が一番メジャーなんじゃないかと思うけど、 あいにく私は PC のメインの環境が ArchLinux であることと、少なくともパスワード管理マネージャを使い始めた当時はまだ 1password の Android 版がなかった気がするので要件に見合うものとしてずっと Keepass を使っていた。 1

Keepass を使い始めてからはパスワード管理は捗ってたし、特別な不満は感じてなかった。 実際 Android の keepass2android は良く出来てると思う。

ただ唯一不便と言うか、「これができたらもっと便利なんだけどなー」というのに PC でのブラウザ連携があって、 Linux 環境だと firefox/chroem の拡張の導入がことごとく大変でしかもまともに動かずで、結局は毎回パスワードを入力の際は別の keepass ウィンドウからせっせと対象を検索して手動でコピペしてた。

この使い方でも「まあいっかな。パスワードちゃんと管理できるのは便利だし」と思ってそのまま5年くらいは使ってたのだけど ノリで Enpass を試してみたらこの辺が Linux でもアッサリと、そしてしっかり動いた上に各サイトのパスワード変更もいい感じにマージしてくれたりと「ブラウザ連携めちゃめちゃ便利じゃん!」となって移行を決断。

Keepass から Enpass の移行

雑にメモっとく。
ちなみに私は好みでUIを英語にしているけれど普通に日本語対応はしている。2

Enpass のインストール

まずは Enpass のインストール。 基本的には以下のページからそれぞれのプラットフォームに合わせてインストールすればOK.

Downloads | Enpass

ArchLinux の場合は enpass-bin という名前で AUR に登録されてるので以下のコマンドで入る。便利。

yaourt -S enpass-bin

初回起動の際大体以下の流れ

  1. 既存のデータを持っているかどうか聞かれるけど無いので 「I am a new Enpass user」を選択。
  2. Set Password で管理するパスワード一覧にアクセスするためのパスワードを求められるので設定する。忘れないように注意。
  3. そうするとメインの画面があがってくる

これで Enpass のインストールはOK。

Keepass からのデータの移行

Enpass は様々なツールからのインポートにも対応している。 Keepass からの場合は xml か csv 形式から選ぶことになるけれど、Linux 版の KeepassX の export が csv のみの対応だったようで csv に一度データをエクスポートした上で Enpass からインポートした。 3

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インポートが完了するとそのままな「import (インポート)」というカテゴリに全部放り込まれてる。 ブラウザ連携で URL から自動的に必要なパスワード情報を探してくれて全く困ってないし、この辺の整理は気が向いたらやろうかなという感じではある。

また別の環境への同期のために

「Tools (ツール)」 -> 「Settings (設定)」 -> 「Sync (同期)」タブ -> 「sync with (と同期する)」

のところででお好みのクラウドストレージを介した同期ができるので設定しておく。 Dropbox だけじゃなく OneDrive や Google Drive 、 Box とか ownCloud まで選択できるのもいい感じ。 これをやっておけばスマフォなり別の PC に Enpass を入れても初回起動時で同期の設定ができる。

screenshot03

Keepass から Enpass にうつってみて

大体以下のような感じ。

  • Enpass そのものが各種クラウドストレージを介した同期に対応してるので、パスワードDBファイルを意識しなくてよくて楽。
  • 管理できるフィールドのカスタマイズができて、ログインに3項目以上入力しなければいけないサイトなんかの情報管理も楽。
  • ブラウザ連携が Linux 環境でもすぐにちゃんと動く。
  • モバイルアプリで PIN コード or 指紋認証が使えるのが便利。
  • 当然だけどクリップボードへのコピーなどの キーバインド にちょっと違和感あり。まあ慣れの問題だと思う。
  • モバイル版はプラットフォームごとの課金なので、Android だけなら1回課金すればずっとProプランOKみたい。(多分 iOS も一緒)
  • モバイルのトライアルは20項目制限でアクセス可能な項目はコントロールできないので、状況によってはそんな「お試し」はできないかも。

大分長いこと Keepass で慣れてしまった部分からのギャップもあるのだろうけど、概ねよさそうな感じ。 モバイルは昨日 Pro プランにうつったばっかでそんな使い込んでないのでこれから色々出てきそうな気もするけど。


おまけ

そういえば年末なのかクリスマスなのかはわからないけど、今 Enpass の Pro プランが 50% off になってるようなので 試して良さげなら今のうちに買っておくのはアリかも。

Enpass: The Most cost effective password manager | Enpass


  1. Linux 版が出ない以上、多分今後も 1password は使う機会はないかな... 

  2. システム環境が日本語であればデフォルトは日本語になっていると思う。 

  3. ちなみに生成された csv を覗いてみると既に使ってない情報が結構残ってたので、そのあたりの掃除をしてからインポートした。(インポートしてから消すのはめんどいので)